11月1日。大阪教育大学附属天王寺中学校でPTA主催の講演会に登壇した。オーディエンスの大半は保護者だが、中学生たちもちらほら。基本的にこういう場合には保護者に対して話をするが、生徒たちも聞いているので「ここから少し生徒たちに喋るけど」などと言いながら120分間も話した。
講演の依頼はだいたいが『ユメタン』などの採用校から届く。今回のようなパターンはレアである。㈱ウィザス主催で開催された保護者対象の講演にいらっしゃった方の中に、同校のPTA関係者がいらしたのである。この話をぜひ本校の保護者に聞かせたいとご連絡を賜り実現した。
それにしても120分は長い。こんなに長いこと集中して聞いていられますのん?からスタートした講演会だったが、午前10時ちょうどに始まった会が、結局終わってみれば13時前。120分どころではなかった。終了後は多くの方々に囲んでいただき、同行してくれたアルク植元君と「気持ちのいい学校やったな」と言いながら帰路についた。

灘中学校もそうだったが、こういう「いい学校」でも残念ながら勉強せん子たちがいる。別に勉強せんでもいいのだが、それなりの人生を送りたければ、それなりの努力をせんといかんことぐらいはわかっているはずだ。
別に貧乏でもええのやという場合、それも構わんだろう。しかし、良いか悪いかは横に置いておくにしても、我々のとき以上に学歴重視社会になっている。阿呆な大人からの、勉強なんかせんでもなんとかなるもんやという甘言に騙される子どもたちがあまりいてほしくはない。
社会の現状をあちらこちらの学校で話す。オヤジギャグに笑っていた生徒たちだが、ひとりまたひとりと真剣な顔に変わっていく。大谷選手や山本選手は誰よりも努力したから今の彼らがあるのではないのかと言うと、ぶんぶんと頷く。では、キミはなんの努力をするのや、野球か、数学か、英語か、音楽か、それとも何やと聞く。子どもらはうーんと天を見上げて考える。
講演はこれでいい。考える機会になったのであれば幸甚である。
木村達哉
追記
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