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執念と冷静と

2025.11.12(水) 10:20

11月12日。詳しくは書けないが、本を書く機会をまたいただいた。物書きですとは名乗っても、本というのは依頼があって初めて書けるもの。小説のように依頼なく書き始め、10万字ほどを書き上げたら新人賞などに応募し、受賞できれば再び書く機会が与えられるというフィールドもあるが、たいていの本は依頼があって書き始める。

語学に関して言えばだけれど、これは売れるだろうなというのはある程度わかる。自分の著書にしても、出版社から依頼されたものの売れないだろうなと思って書く本があり、やはりそういう場合には売れない。他の先生がお書きになった本でも、きっと売れんだろうなと思うとやはり売れない。

SNSのフォロワーが多いとか少ないとかはいっさい関係がない。そもそもSNSをやっていない人たちの本でも売れている。フォロワーがとてつもなく多い先生の著書が売れていない。市場を極めてよく知っていれば、こちらは売れるあちらは売れないがわかってくる。私の場合、市場は学校である。TOEICの市場は知らない。知らないので書かない。

書く依頼を頂戴するのはありがたいことだ。書き始めたら書き始めたで「どうして依頼したんだよ」と泣き言をぽろぽろとこぼし始めるのだけれど、それでも脱稿が近づくと、次の依頼はまだかなと首を長くする。最初に依頼してきた出版社のために必死こいて書くぞと誓いを立てるものだ。

依頼が渋滞していた時期もあるが、ご存じのとおりの出版不況である。出しても、よく売れて5000部程度。SNSでいくら宣伝しても、イイネを何万人からもらっても、その程度なのである。したがって出版社は慎重になる。出したはいいが売れなければ、コストばかりかかって自転車操業となる。

依頼をくださった出版社から次もいただけるよう、執念と冷静とが入った小袋を脳のあちこちにぶら下げて、質の高い文章を書くことにしよう。自分にできることはそれだけである。スマホは捨てる。否、捨てられないが、気持ちのうえでは捨てる。時間を本に捧げよう。

木村達哉

追記
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