BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 炎上と売り上げ

炎上と売り上げ

2025.11.17(月) 10:00

11月17日。最近はこのブログのPV数が上がっているのとメルマガ読者数が増えている。どこかでどなたかが話題にしてくださっているのだろう。応援なのかか批判なのかはわからないが、話題にしてくださるだけでありがたい。なぜなら、いずれも物書きにとっては「応援」だからである。

本を売る最も手っ取り早い方法が「炎上」らしい。Yahoo!などでぶっ叩かれるぐらい炎上させてください。そうすればSNSのフォロワーが増え、本も自動的に売れるんですよ、アンチも増えますけどと教え子が笑いながら教えてくれた。経営コンサルティング系の大企業に勤める彼の言うことだから正しいのだろう。

ある小説が批判にさらされたことがある。現代のようにSNSのコメント欄が燃えに燃えるようなタイプのものではないにしても、小説界においては一種の炎上であった。私も物書きの端くれとして読んだが、長編にしてはエンディングが如何なものかというのが感想であった。

最初はさほど売れていなかった。そりゃそうだろうなと思っていた。ところが、批判が大きくなるにつれて売れ始めた。今ではその作家の代表作となっている。批判が批判を呼んで話題になるとそれまでその本を知らなかった人まで知ることになる。では買ってみようと思う人が多くなるので売れるのである。

いくつかの出版社が青息吐息と聞いた。本を出しても売れないというのが理由である。ある歴史的な文学賞も今年が最後という。小学校4年生のときから、授業中でも小説を読みふけっていた身としては寂しいニュースである。なんとかできんものかなと思う。

出版社が本の売れ行きを伸ばすためにSNSを炎上させるなんてことは起こりえないことだろうと信じてはいるが、社員の給与を支払うために「背に腹は代えられぬ」との思いで、週刊誌上であることないことを報じて訴訟を誘発しているのではないか、といぶかることもある。

出版社も書店も大変な時代である。みんながスマホを本の代替物にし始めた。紙代が上がり、文庫本が1500円ほどする贅沢品となった。それでもやはり、と思う。読書欲を燃え上がらせるために自分にできることはなにかなと日々考えているところである。恣意的炎上は如何なものかとは思うけれど。

木村達哉

追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を火木土の週3通無料配信しています。読みたいという方はこちらから仮登録をし、届いたメールにて本登録をお済ませください。英語勉強法について、成績向上のメソッドについて、いろいろと書いています。家庭や学校、会社での会話や、学校や塾の先生方は授業での余談にお使いください。