11月23日。水戸から帰宅。世の中にはいろんな方がいらっしゃる。犬や猫の考えていることがわかるという人に逢いたくて予約したと妻が言う。三日連続講演で疲れているだろうけれどと申し訳なさそうに言うが、そんな人がいらっしゃるならこちらとしてもお会いしてみたい。一緒に出掛けていった。
さくらの写真をその方に渡す。決められた20分か30分かの間に質問を投げかける。痒そうにしているのは何故ですか。キムタツが出張に出ると少し体調が悪くなるのは何故ですか。カリカリ(少し硬いタイプのドッグフードをこう呼んでいる)をあまり食べないのはどうしてですか。兄弟姉妹は欲しくないですか。気に入っているおもちゃはどれですか。
そのたびに、その方は写真を撫でる。黒っぽい食べ物を食べると痒くなるようです。ご主人が出かけていく前に抱っこしてやらないから寂しいようです。カリカリの味が薄いのが嫌なようですが、前に食べていたご飯のほうが美味しかったそうです。兄弟姉妹がいてもいいけど騒々しいのは苦手だそうです。黄色いふわふわのおもちゃが好きです。妻の質問に対して、一つひとつよどみなくお答えになる。

最近は青い服を着せてくれないけれどもあれを気に入っているんだけど。白い骨のようなおやつを最近くれないのはどうしてかな。質問をしていないことに対しても、写真を撫でながら、おそらく頭に浮かぶ「さくらの気持ち」を教えてくださる。面白いのでずっと見ていた。
青い服なんかあったっけ?
あるよ。ほら、寝るときによく着せていたの。
ああ、あれか。スヌーピーのやつね。
妻と話していると、その方が「どうして青い服を着せてあげないんですか」と。「体を後足でがっがっがっと掻いてばかりいるので、服は着せないほうがいいのかなと思いまして」と言う。「その青い服はどちらかというとぴったりと体にフィットするタイプですよね」「はい、そうです」「ふわっとしたやつじゃなくて」「ええ、ぴったりな服です」「そのぴったりの服が安心できるようですよ」
黒い食べ物を食べると痒くなるって、砂肝って書いたフードのことじゃないかな、あれ黒っぽいよと妻が言うので、帰宅後に捨てた。白い骨のようなおやつはペットショップで買って帰った。すると、あれだけ痒そうにしていたのに、がっがっがっと後足で体を掻くのがなくなった。骨のおやつを踊りながら食べている。黄色いぬいぐるみをおもちゃ箱から出すと大喜びで遊んでいる。そして青い服。とり出して着せると、なんだか窮屈そう見えるのに、すうっと寝始めた。
不思議な人にお会いした。ご主人から質問はないのですかと仰ったが、さくらが我々と一緒に元気でいてくれさえすればいい。それにもしも万が一、読書ばかりするなだの執筆ばかりするなだのと言われると、さくらの目が気になってこちらが笑顔で過ごせない。わからないままのほうがいいこともあろう。今日は不思議で、そして愉快な日になった。妻とその動物読心術者に感謝したい。
木村達哉
追記
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