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Time to Get Ready

2022.01.11(火) 10:00

子どもの頃、母親からよく怒られましてねぇ。言うまでもなく、僕が悪いんですけどね。誤解のないように書いておきますが、母は僕のことを深く愛してくれました。が、僕はなにしろ要領が悪いんです。そこに来て、動きが遅い。そんなわけで、母からしょっちゅう怒られていました。

小学校低学年の頃などは、もう見ていられなかったそうです。小1の参観日のこと。担任の辻井先生が生徒たちに質問を出しました。「2+2はいくつかな」と。僕は手を挙げたそうです。覚えていないのですが、母によると手を挙げていたそうです。多くの児童たちと一緒に。先生はこともあろうに僕を指名しました。「たっちゃん、答えてください」なんてふうにおっしゃったんでしょうねぇ。

辻井先生は非常に優しい先生でした。僕は叱られた記憶がありません。いつも微笑んでいらっしゃったように思います。僕は立ち上がり、そして「2+2=」と書かれた黒板を凝視していた、そうです。一瞬静まり返った教室でしたが、ざわめき始めました。なぜなら僕が一向に答えないからです。保護者も含めて、ひそひそがざわざわに変わり、ついには・・・と、そのとき辻井先生が叫びました。僕は覚えていないのですが。

たっちゃんはじっくり考える子なんです!親も子も静かにしなさい!と。辻井先生のいつもとは違う厳しい口調に、ざわめいていた授業参観中の母親たちも圧倒され、教室は静かになりました。そしてその瞬間、僕は「あの、4です」と答えて座ったそうです。帰宅してから、母から「わからんねやったら手を挙げるなよ」と叱られました。辻井先生のおかげで救われたわぁ、と涙を流していた母のことは覚えています。この話は大人になったあとも何度も聞かされました。当の本人は教室でのことを覚えていないんですけどね。

母からは「遅いことなら牛でもできる!」と口癖のように言われていましたね。だから僕、食べるの速いんですよ。到着する時間も早いんです。約束の時間よりずいぶん前に到着しています。でかける準備をするのも速いですしね。ちなみに歩くのも速いです。遅いのは原稿を書く速度だけですね。せっかちなように思われるかもしれません。子どもの頃から「遅い!」と言われてきたものですから、速度重視タイプになっちゃったんでしょうねぇ。

受験生の皆さんの中には僕と同じタイプの人がいらっしゃるかもしれません。周囲をハラハラさせる名人級の遅さを誇る人もいらっしゃるでしょう。でもね、準備だけは早いほうがいいですよ。週末の荷物はそろそろ詰めてしまいましょう。早すぎると言う人もいらっしゃるでしょうが、この「すぎる」に騙されると今度は「忘れていた!」ということにつながりかねません。受験上の注意を熟読し、必要なものはそろそろいったん鞄に詰めてしまいましょう。

木村達哉拝