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神戸市立須磨北中学校さんにて

2022.02.28(月) 08:00

灘校時代は野球部の顧問でしてね。17年間、監督を務めました。いい思い出としては、阪神の私学大会で3回優勝したことです。また、神戸市東灘区灘区大会でも優勝しました。僕の監督としての優勝回数は4回です。

その時に、いろんな先生方にお世話になりました。私学大会のときは比較的フレンドリーな雰囲気で進行するのですが、公式戦となるといろんな取り決めが厳しいですからね。灘校に移った頃は神戸市のそれがわからなくて、けっこう右往左往していました。

当時、同じ東灘区のブロックで対戦していた学校の顧問の先生が、今は須磨北中学校という神戸市立の学校に赴任しておられます。その先生から、卒業を間近に控えた中学3年生に学びの意味と意義について話してやってもらえないかとご連絡をいただきました。

小学校とか中学校での学びは学びの中でもかなりの初期段階です。いくら灘中学校なんかの入試が難しいと言っても、知全体のなかでは初歩的もいいところです。ここから学びが始まるのですね。学びというのはなにも東大などに合格するためのものではありません。むしろその東大合格でさえもスタートラインに過ぎません。

人々の役に立つ人材になるためには、そこからしっかりと自分の選んだフィールドで努力を重ねていかねばなりません。それがどういう分野なのかは人によります。大谷君は野球でしたね。僕は教育でした。人によっては医療であったり法律であったり経営であったり、中にはパンを焼くことであったり人の髪を切ることであったり整体であったりします。

自分のやりたいことをいくつか選んで、それをやって生きていくためにはどういうことを勉強して自分のレベルを上げねばならないんだろうと考えることです。そうすると学校に通っていることが機械的ではなくなります。単に1時間目に英語があり、2時間目に数学があり、ため息をつきながら授業を受けていてもしょうがないのです。

僕の場合は教育を、そして言語を選びました。成績がいいからという理由で医師になることを選ぶ人がいますが、もし僕の成績が非常によかったとしても医学部には進んでいなかったでしょう。なぜなら医療には興味がなかったからです。やはり文学部の英文科かフランス文学科、あるいは国文科に進んでいたのではないかと思われます。

問題は自分の人生を決めるのは自分しかいないということ。教師が決めるわけではありませんし、もちろん親が決めていいわけがありません。そういったことを考えながら4月から始まる高校生活を送ってもらえればと願って、須磨北中学校の生徒たちに話をしました。特にこの4月からは成人年齢が18歳になります。あと3年すれば成人で、クレジットカードを作ってローンを組むことだってできるようになるのです。いろんなことを学ぶことですね。そして、学びは進んで行うことです。誰かにやらされるものではありません。

木村達哉拝