山形県から帰ってきてからばたばたしている。さほど情報処理能力が高いわけではないので、一つひとつの仕事を丁寧にするしかない。机の周囲を片付けては自画自賛し、メルマガの文章を書いては何度も推敲し、学研の原稿を書いては自分で解いてみる、そしてまた片付けに入る・・・というようなことをひねもす行っている。

実は生活面で、少しのと書くと嘘になる程度には大きい変化があって、家じゅうを片付けねばならなくなった。ずいぶん前から物を無駄にため込んでいたことがわかる。使わなくなった加湿器や送風機、古くなった椅子やソファー、何が入っているのかさえわからない箪笥、子どもが幼い頃に買ったクリスマスツリーや五月人形等など、要らないと思ったものはすべて処分した。

本も処分しないといけないが、これは追々やろう。「本は捨てないことにしています！」とFacebookにコメントを書いたヒトがいるが、それはあなたがほとんど読まないからでしょと書きたくなって無駄な争いを好まない自分は手を止めた。毎年100冊以上ずつ増えていくのを捨てないでいると、家が大変なことになる。拙宅は猫ビルではない。

結局のところ、新しい大きい島に移るには小さい島を離れねばならない。その小島しか知らない人生を送ってきた場合、離れるのには幾分かの勇気を必要とするが、その島にいる限りは大海を知らず、大島を知らないままの人生を送ることになる。万事が万事、ローリングストーンズであったほうがいいのではないかと考えている。

失敗することを怖れるのであれば、従来の小島に滞在し続けるのもいいだろう。しかし、残念ながら、それでは現状維持すら難しいのは論理的に考えれば理解できることである。

いろんなことを考えて小島を幾度となく離れ続ける人生ではあったが、またここに来て、それなりの覚悟と勇気をもって、新しい島に移ろうと考えている。詳細は結果を見ていただくとして、今は出航の時間をいまかいまかと待っているところなのである。

木村達哉拝