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大阪・授業料完全無償化に関して

2023.06.20(火) 09:00

実は昨日、灘校のゴルフコンペがあった。和田前校長はこちらの会議で大阪維新と闘っておられたので不参加。私はすでに退職しているけれども、なにせ若い人のゴルフ離れが著しくてメンバーが足りないということもあって、いつも声をかけてもらっている。スコアは聞いてはならない。

上のリンクにある高校授業料の完全無償化だが、和田先生のおっしゃるとおり、不公平極まりない。私学のレーゾンデートルを揺るがす政策であって、賛同することはできない。要するに大阪の高校生は60万円の高校授業料を無料とする(つまり大阪府民が負担する)が、もしもそれを超えた分が出てくればそれぞれの学校が出してやれということである。

私は奈良県から大阪府の私学に通っていた身だが、この完全無償化が実現するとどうなるか。大阪府内の同級生たちは無料で通うことになる。しかし、私をはじめとする他県からの生徒は満額を支払うのである。おそらく来年から私が高校に通うとすれば、大阪の私学は選ばないだろう。友達は無料なのに私は高額の授業料を支払うのだ。それなら地元なり兵庫なりの私学を選ぶ。

また、私が勤めていた兵庫県の灘校や奈良県の西大和学園にはそれぞれの県の生徒たちだけでなく、大阪府の子どもたちも多く通っている。大阪から通っている生徒たちだけが60万円を大阪府から負担してもらうだけでなく、不足分は灘や西大和学園が負担するのである。こんなバカげた話はない。

それぞれの学校には兵庫や奈良だけでなく、京都や岡山、東京や埼玉の生徒たちも通っている。大阪府の生徒たちだけが無料+不足分を在籍高校が負担するのである。それで同じサービスを(学校はサービス業ではないけれども)享受するのである。不公平極まりない。

大阪府民が大阪府の子どもたちに、自分たちの税金をプレゼントするからこれで高校に通えと言うのは問題ないと思われる。たとえば、中3生徒たちに180万円を渡して、これで高校3年間がんばれと、公立であれ私立であれ自由に選べと、言うのであればいいのではないか。

お客さんに自治体が金券を発行するのは問題ないのと同じである。2000円の金券を渡して、これで好きなものを買ってくださいというアレである。しかし、足りない分は自分で支払うのが当然である。足りない分はお店が払ってあげてくださいというのでは経営が成り立たない。

私は維新が掲げる議員数削減改革は支持している。けれども、教育に関しては改悪だと言わざるを得ない。さまざまな入試改革や教育改革は橋下氏が首長だった頃からあまり評判がよろしくない。実際、大阪の学力テストの成績はかなり低いままである。どうすれば先生方と生徒たちが幸せになるのかを考え、地に足のついた政策を展開してくださることを期待している。

木村達哉

追記
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