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ドラゴンズの山本君ではなくなったけれども

2023.07.18(火) 10:00

今年のシーズン前にジュンク堂書店那覇店で行われた「愛するドラゴンズを語り尽くす会」に登壇した。CBC放送の北辻さん、ラジオパーソナリティーの漢那さんと一緒に、それほど多くはない沖縄のドラゴンズファンの前で今シーズンの展望を文字通り、語り尽くした。

MCの漢那さんから「一番期待している選手は誰ですか」と問われた私は、山本ですと答えた。市立西宮高校卒の山本拓実投手である。北辻さんと漢那さんは意外な表情を浮かべていたが、私は彼が入団したときから、否、入団する前から注目し続けているのである。

市立西宮高校は私の地元にある進学校。ドラフトで指名されなければ私の後輩(関学大)になっていたかもしれない。高3の春と夏に報徳学園戦で好投して注目を集めたが、いかんせん身長が160センチ台。ドラフトにかかれば面白い存在なんやけどなぁと思っていた。そんな中、私のドラゴンズが彼を指名した。

プロ入り後の彼を密かに応援し続することに決めた。応援する理由として、1つにはドラゴンズの選手であること、1つには私と同じで背が低いこと、そしてそれをものともしない火の玉ストレートを投げること、そしてもう1つは地元出身だということである。

ドラフトで指名されてもまったく一軍の試合に投げない選手(ドラフトまでの人)も多いなか、彼は1年目からマウンドに上がることになる。この2年ほどはリリーフでの登板が多いが、その前は先発投手として12試合で投げている。高校時代を知っている私としては、リリーフよりも先発のほうがいいのではないかと考え、よっぽどドラゴンズの監督に手紙を書いてやろうかと思ったほどである。

今年6月、北海道日本ハムファイターズへの移籍が決まったというニュースが流れた。日本ではトレードというとなんだかネガティブに捉える向きが多いように思うけれども、オフィスワーカーでも転職が当たり前の現代において、その考えはold-fashioned(古臭い)だと言わざるを得ない。

投手陣に厚みがあるとは言い難いドラゴンズが、戦力である彼を放出したのは彼が不要だったからではない。彼を放出してでもサウスポーが欲しかったのである。おそらく完成度の高い右投手が欲しかったファイターズとの思惑が一致したのであろう。トレードとはそういうものなのだ。

山本選手にはこのトレードを機に、大躍進を遂げてもらいたい。ドラゴンズの山本君でなくなったのは残念ではあるが、これからも彼の火の玉ストレートに注目し続けよう。先発であれば松坂大輔のような、リリーフであれば藤川球児のような、我々をわくわくさせるピッチャーになってもらいたい。

木村達哉

追記
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