11月6日。なんだこの暑さはと文句の一つも言いたくなるぐらいの暑さ。明日の講演に備えて埼玉県春日部市に移動している。出がけに先日訪問した三重高校の生徒からいただいた「楽しく英語を勉強する方法って無いのでしょうか」という質問に答えた（こちら）。

動画の中で話したとおり、洋画を見たり外国の歌を聞いたりしているだけで言語を習得できるわけがない。逆にアメリカやインドの人たちが自分の国にいて、日本の映画や歌を見たり聞いたりしているだけで日本語が話せたり聞けたりするようになるかを考えればわかると思う。不可能である。

ただ、これまた動画で話したとおり、工夫次第であるのは言うまでもない。洋画を見て、その中の言葉を覚えたり使ったりすることは大切だろうし（スラングなどを覚えるとぶん殴られる可能性もあるが）、外国の曲の歌詞を覚えるのも悪くはない。let it beという表現はそうして覚えた人も多いはずだ。

要するに「見ているだけ、聞いているだけ」では力が付かないと言っているのである。有効な方法は動画の中で話したのでここでは割愛するが、楽をして何とかしてやろうと考えるのは悪い癖である。イチロー選手が引退のとき、野球を楽しいと思ったことなどないとおっしゃったが、要はそういうことだ。

かく言う私も英語や日本語の勉強が楽しいと思ったことはない。単に自分の力を伸ばしたくて、眠いなと思っても本を開き、辞書を開き、覚えたものを会話で使い、間違え、訂正されているうちにできるようになったのである。そういうものである。

先日もある学校での質疑応答で「英語のいい勉強法はありませんか」という質問を受けた。その「いい勉強法」とは「楽ができる勉強法」なのか「確実にチカラがつく勉強法」なのかどっちかと尋ねたところ、その生徒は「チカラがつく勉強法だ」と答えたので、然るべき方法を伝えることとなった。

そもそも楽ができる勉強法などチカラがつくはずがないのだということは覚えておくとして、そうは言ってもそれなりに楽しめる方法を模索するのであればというつもりで動画をご視聴いただければ幸いである。

木村達哉

追記
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