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北海道、母の思い出

2024.01.27(土) 08:00

1月27日。毎年この時期恒例の北海道セミナーを札幌市で開催した。情報科の加藤悦雄先生と英語科の私とのコラボトークイベントに、35名の先生方がお申し込みになった。大阪府と岩手県の先生もご参加になり、ICT教育について知見を深めることとなった。

それについてはまたメルマガその他で書くとして、明後日が私の誕生日ということもあり、20名もの先生方が懇親会に参加された。正直予想も期待もしていなかったのだけれど、プレゼントやら大きいケーキやらを頂戴し、最後まで恐縮至極な懇親会であった。

ここからは日記ではない。
母は常々、いつかは北海道に行ってみたいと言っていた。「北の国から」に影響を受けたのか、それとも近ツリのカレンダーをいつも家にかけていたからかはわからない。彼女の中で、北海道は大きいアイコンになっていたようで、「いつかは北海道」が口癖になっていた。

彼女が癌を患ったのは57歳のときである。結局、62歳でこの世を去るまで癌であることは医師にもわからず、死後の解剖によって肺の外側に大きい癌があることがわかった。私は、そもそも泣き虫なのだけれども、自分でも信じられないぐらい病室で泣いた。なにより北海道に連れていってあげられなかったことを悔いた。

それから何年も経って、私は初めて北海道を訪れた。確かベネッセ主催の勉強会が行われ、私が講演をすることになっていたのではないだろうか。初めての北海道に、母の形見をポケットにしのばせていた。新千歳空港に降り立ったとき、それをそっと取りだして地面の上に置いた。確か安物の、でも彼女が大切にしていたブローチだったように思う。

北海道では多くの高校や大学で拙著が使われている。その関係で数多くの学校から講演や授業のオファーが毎年入る。さすがに母の形見を持っていくことはなくなったけれども、空港に降り立つとどうも涙腺が緩む。やはり、母を連れてきてやりたかった。

今回は駒大苫小牧高校の先生方、そしてトークイベントに参加してくださった先生方にはお世話になった。心からお礼申し上げます。また次は夏ですね。楽しみにしています。

木村達哉

追記
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