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鬼鷲 ~琉球王尚巴志伝

2024.02.17(土) 10:00

2月17日。那覇文化芸術劇場なはーとで「鬼鷲 琉球王尚巴志伝」を観劇した。未就学児から高校生までの子どもたちによる舞台ではあったが、観たことのない方々には想像もつかないほど感動的な芸術であった。「鬼鷲」を言葉にしようといくら努力しても、子どもたちの演技の前では陳腐になってしまう。

尚巴志とは琉球王国第2代国王。彼が三山(中山・山北・山南)を統一し、琉球王国が成立したのである。在位中は首里城や那覇港を整備し、明、日本、朝鮮、スマトラ島、ジャワ島、インドシナ半島などの東南アジア諸国と交易を行った。琉球繫栄の基礎を築いたのは尚巴志王である。

語り部の赤犬子(アカインコ)とその弟子たちを演じる高校生たちの演技レベルは高く、翌日に平田大一さんにお会いして伺ったのだが「そこだけは下手だと困る」という配役だった。赤犬子は中国から三線を沖縄にもたらした人物で、三線は「鬼鷲」の第二テーマとなっていたことから、別の観点から見れば彼女が主役だったのかもしれない。

演じる子どもたち、後方から支える平田大一さんや宮沢和史さんをはじめとする音楽スタッフ、演出を含めてどれもが完璧で、感動の波に耐え切れず幾度も涙が流れた。子どもたちの中には特別支援学校の生徒もいたけれど、未就学児の動きは未熟だったかもしれないが、全員が一生懸命だった。必死だった。それが満席のなはーとに座る大人たちの心を動かしたのである。

観ながら自分の人生を考え、私はこんなにも一生懸命に生きてきただろうかと思うに至った。あなたはもっともっとあなた自身の人生を生きていいんじゃないか。子どもたちにそう問われている気持ちになった。

総合プロデュースの下村一裕さん、演出家の平田大一さん、委員長の井上泉さん、前に出ることなくサポーターに徹しておられた宮沢和史さんやイクマあきらさん、縁の下で走りまわっておられたスタッフの皆さん、そしてなにより大切なことを教えてくれた子どもたち全員に心からお礼申し上げるとともに、これからもお付き合い賜れば嬉しく思う。とてもいい日になった。次は「息吹」の神戸公演を楽しみに、私の人生を地に足をつけて生きるとしよう。

木村達哉

追記
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