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「スウィーニー・トッド」

2024.04.29(月) 08:00

4月29日。昨日は大阪に「スウィーニー・トッド」を観に出かけた。18世紀のロンドンが舞台。フリート街の悪魔の理髪師であるスウィーニー。ミセス・ラヴェットのロンドンでもっともまずいパイ店の2階に理髪店を構え、無実の罪で流刑に処せられた復讐を画策するのである。

スウィーニーを演じる市村正親さん、ミセス・ラヴェットの大竹しのぶさん、乞食女のマルシアさん、ジョアンナの熊谷彩春さん、トバイアスの加藤諒さん、それ以外のキャストも含め、歌も踊りもすべて素晴らしい舞台だった。それを支えるオーケストラも素晴らしかった。感動し過ぎて頭がおかしくなった。

宮本亞門作品を観るのは初めてだったけれども、さすがのひと言。演出というのはこういうものだと教えられた。かつ、同じモノづくりをする人間として、自分の未熟さを思い知らされた。完膚なきまでに打ちのめされた。

カーテンコールでは、この日が千秋楽だった加藤諒さんが我々観客に挨拶をされた。最初はこんな難しい曲を歌えるのかと思って来る日も来る日も練習したと、そして大竹さんがそれに付き合ってくれたと、涙をぽろぽろこぼしながら話しておられた。

「楽しく学ぼう」という言葉がある。が、楽しんでいる間はさほど力など付かないのは言うまでもない。イチロー選手が引退の挨拶で、野球を楽しんだことはただの一度もないと仰ったが、苦しんで藻掻いて努力して、それを一時的ではなく継続できる強さが必要なのである。

いい舞台を観せていただいた。観劇は劇を観るだけでなく、自分自身を俯瞰する機会になる。

木村達哉

追記
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