9月20日。SNSには書いたが、京都のガイドブックにさくらがモデルとしてデビューすることになった。いや、冗談ではない。犬と入れるお店やドッグランなどを紹介するページにさくらちゃんを使わせてもらえませんかというオファーが届いたのである。飼い主も写るかもしれないとのことで、さくら以上に緊張している。
「おやつとおもちゃを持ってきてください」と連絡をいただいたのだけれど、さくらの場合、大好きな食べ物は焼き紅鮭とロースハム、そしておもちゃにいたっては松ぼっくりである。さすがに家の中ではいろんなぬいぐるみを咥えて走りまわっているけれど、外に出たらボールなどには見向きもせず、松ぼっくりを探しながら歩いておられる。
普通の犬が好きそうな、ペットショップに売られているおやつを持っていったからと云って彼女が素直にお坐りをするとは到底思えない。おもちゃを追いかけているシーンを撮りたいと言われるかもしれないが、さくらが追いかけるのは間違いなく松ぼっくりである。京都に松ぼっくりを持っていくよりほかないだろうと考えている。
もうひとつの懸念は、ほかの犬と仲良くできないという点だ。散歩をしていてもたいていはさくらが「近寄らんとって!こっちに来んとって!」とばかりにわんわん吠える。お友達は嬉しそうに尻尾をぴこぴこ振りながら近づいてきているというのに、さくらは明らかに腰が引けているのである。
唯一、近所のスフレちゃんとは仲良しだが、まさか撮影にスフレちゃんを連れていくわけにもいくまい。ほかの犬に向かってわんわん言っているさくらが目に浮かぶ。こんなので果たしてモデル犬としてお役に立てるのか甚だ心配である。
が、せっかく声をかけてくださったのだから、撮影当日までにカットに行って、ついでに私もちゃんと散髪を済ませたうえで、京都に向かおうと思う。ガイドブックが出来上がるのが楽しみだ。糸井重里さんが「犬は犬であることが仕事」と言っておられるが、さくらにはずいぶん癒してもらっている。その点で、彼女はいい仕事をする。
木村達哉
追記
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